Prologue

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☆ ――6.13.2058  ∬太平洋のとある島∬ 地図には載っていない、面積は兵庫県の淡路島程度の緑に覆われた孤島 様々なジャミング装置が効いたその島の存在を知る者は世界でも一握りだけ その島の中心には世界に普及している技術より20年は進んだ最先端の機器を備えた研究所がひっそりと佇んでいる 月の光さえ届かない暗い闇の中である男が研究をしていた 「ついに…ついに完成した。最高傑作が……」 男の目の前には澄んだ青い液体に満たされたガラスの筒があった。 その中心には様々なチューブの繋がった人間の赤ん坊が浮かんでいる。 「お前の名前は……凛斗<リンド>…凛斗だ」 黒い色をした白衣、黒衣を纏った男は狂喜の表情を浮かべたままじっとその子供を眺めている。 突然静かな空間に携帯電話の着信音が鳴り響く。 男は二言三言話すとその赤ん坊に背を向けて歩き出した。 鈍く反響する足音を残して……  
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