The Second Mission

9/12
前へ
/24ページ
次へ
  凛斗がサンドイッチをペロリとたいらげ、雫が最後の一つを手にした時、パイロットから報告が入った。 「前方5kmに関蓬島を確認。安全ベルトを装着して下さい」 雫はサンドイッチを食べ終わるとベルトをつけた、だが当然のことながら凛斗はベルトの付け方を知らない。 時速150kmで慣性によって受ける力を考えると、軽く見積もっても内蔵破裂、複雑骨折は免れないだろう。 一人あたふたする凛斗は不意に引っ張られ、椅子にくくりつけられた。(と言ってもベルトでの話だ) 凛斗が振り返ると先程の筋骨隆々とした兵士が作業していた。その巨大な体躯に似合わない俊敏さで凛斗を固定すると兵士は再び奥に消えた。 その後すぐにヘリは降下を始め、目的地に到着した。  関蓬島 地図には載っていない、国が管理する実験場。 国家予算の2%にもなる金額を使ってあらゆる実験、人体実験さえも行う。といっても実験に使われるのは凶悪犯罪を犯した死刑囚だが…… 実は極秘開発されていた『アーク』の開発担当である男は数年前に姿を消した。その男は機械工学において右に出る者はいないと言われたほどだった。 『アーク』の他にもナノマシンなどを開発し、世界中の注目を集めた。彼が姿を消したその日、いつも彼が使っていた机には一枚の手紙が置いてあった。 開発部のみんなへ 僕はこの開発部を離れることにした。『アーク』の開発を途中で放り出すことはとても申し訳なく思っている。だが僕はこの研究よりもしたいことができた。 僕は自分の技術を試したい。世界でも、いや神にさえも通用するのかを。 また会える日を信じて、僕は努力を続けるよ。 追伸 『アーク』が完成したら見に行くよ。君達なら必ず完成させられると信じている。      輝宮 雅人  
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加