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☆
――4.10.2073
「ただ今より第8回天祇劫<テンシキョウ>高校入学式を開式いたします。」
今日は高校の入学式。国立天祇劫高校の体育館に新入生320名をはじめとする全校生徒、全教師が揃っていた。
天祇劫高校は少々特殊な高校で普通科、システムネットワーク科、化学専攻、物理学専攻など10以上の学科が存在する。普通科以外の学科は全て少人数制で国内最高峰のレベルの生徒が集まっている。
「……であるからして、諸君らには我が校の……」
この天祇劫高校は一般的な高校とは異なり、超高層ビルの中に存在する。各学科にワンフロアが与えられ、専門的な機器が並べられている。
「私たち新入生320名は今日、この新しい学び屋に……」
不意に女子生徒の声が聞こえ、新入生立ちは顔を上げた。舞台の上では黒髪の整った顔立ちの新入生が代表して挨拶している。吸いこまれるような黒の双眸に人形を思わせる黒髪、溌剌としたその声は新入生だけでなく全生徒の目をくぎ付けにした。天祇劫高校の中でも普通科は例外で一般的な難関高校レベルなのである程度の学力があれば合格できる。
天祇劫高校の卒業生はほとんどが各分野の権威として活躍している。普通科出身でさえエリートとして重宝されるのだ。
「ではこれをもちまして第8回新入生入学式を終了します。新入生はクラスを確認後、教室へ向かってください」
入学式が終わり、新入生は移動を始めた。
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