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堪らず彼を見つめると
「言うなよ。ココを抜けるまで何も言うな。絶対だぞ!」
と、前を向いたまま厳しい口調で言い放ち、運転を続けます。
私はこれまで、人相が分かるほどはっきりと人型のモノを見たことがなかったので放心状態になり、その後どうやって元の道に戻れたのか覚えていません。
気付いたら、自宅近くの国道を走っていました。
「コンビニで一旦休憩しよう」
そう彼に話しかけられ、もの凄く疲れていたことに気づきました。
まだ残る恐怖の余韻を忘れようと、私はホットココアを買い車へ戻りました。
ひと足先に戻り車をチェックしていた彼の元へ駆け寄った時………見てしまったんです。
車のボディにハッキリと残っていたいくつもの手形を………。
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