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小さいといえど週末のホテル街。
私達の車の前方には赤いランプがチラチラ見えます。
カップルが乗っているであろう車が1台…また1台と暗闇に光る看板の奥へと消えて行きます。
「みんな燃えてんねぇ~」
二人でケラケラ笑い、ロックをガンガンに流しつつ、陽気にホテル街の奥へと車を走らせました。
父親が話していた道へ……。
ホテルを通り過ぎると、道を走る車は私たちのものだけ。
木々が生い茂り、街灯もありません。
ハイビームにしたライトが、どんどん闇に吸い込まれてしまうほど、真っ暗な道が続きます。
もう数メートル先が見えるのがやっとな状態。
ふとカーナビを見ると、いつの間にか地図上の道が消え、現在地を示す三角形だけが動いています。
「この道地図に載ってないんだね…」
そう呟いたとき、
ガタガタッ
と車が縦に揺れました。
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