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「ねぇ、ココから舗装されてないけど。本当に抜けられんの…?道間違ってない?」
抜けられるとは聞いていたけれど、私も砂利道になるとは聞いていません。
「引き返す?」
暗闇とガタガタ揺れる悪路に不安を感じ、私は彼に訪ねました。
彼は辺りを見回し少し思案した後、
「無理だね…。車回す場所がない。ただでさえクネクネした道で真っ暗だよ?後ろも見えないし…バックも無理。確実に事故る。」
と、少し苛立った口調で言いました。
確かに、いつの間にかすれ違うのさえ難しいほど道は狭くなっていた。
車1台通るのがやっとな状態。
スピードメーターは20kmを差し
シートは「ジャリジャリ」とタイヤが砂利に沈む音を体に伝えます。
ハンドルをきるたびに
ギュギュルルル…
ギュギュルルル…
砂利を踏みしめ擦れる音が暗闇に響きます。
車内はガシャガシャのロックミュージックと
砂利道を進むギャリギャリしたタイヤ音に包まれ
そこで会話は止まりました。
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