S山湖の恐怖

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車内は妙な沈黙に包まれたまま。 時々、木々の間からヌラヌラと揺れる湖が垣間見え、嫌な緊張感を高めます。 彼の横顔がいつになく固く強張っているのが、より不安にさせます。 鳥肌も止まりません。 5分ほど進んだでしょうか? 突然、運転席の数十メートル前方に赤く光る小さなお堂と下へ続く道が見えました。 「戦線離脱できるかも!」 ふたりともそう思いました。 はやる気持ちを押さえゆっくりと車をお堂の前まで進めます。 お堂までの分かれ道まで数メートル……。 近づくにつれ大きくなる妙な違和感。 なんだろう。 何かがおかしい。 「ねえ……あれなんで光っ」 「うるさいっ!言うなよっ!わかってる!」 妙な違和感……
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