プロローグ

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――――…… 世界の片隅、そこでひっそりと一つの悪意の種が生まれた。 その種は誰にも知られることもなく、やがて巨大な組織へと姿を変えた。 その組織のただ一つの目的、それは世界に『悪意』をもたらす事。 そして、それは後に【第三次世界大戦】と呼ばれる大きな戦争という形で世界に現れることになった。 世界各国、大小様々な国はそれぞれの意思、思想、主義によって大きく5つの勢力に分かれ、終わりの見えない長い長い戦争となる。 第三次世界大戦の戦火は凄まじく、戦争に直接加わらない数少ない国もその火の粉を避けられずに様々な形で被害を受けたが 日本はその中で最も大きな影響を受けることとなった。 戦争の激化により、食料不足、生活物資の低下、輸出入の低下など、日本の生活事情に多大なダメージを負うこととなったのだ。 しかし、日本を襲ったのはそれだけではなかった。 日本の持つ膨大な科学技術、5つの勢力はそれらを狙い日本に牙を剥いたのだ。 その結果、日本国内も5つの勢力に分裂…紛争が勃発したのである。 日本の技術を部分的な搾取に成功した各勢力はその技術を兵器に転用、さらに激しさを増した。 これにより人類は、破滅と文明崩壊への道を歩む結果となった。 『第三次世界大戦』から約400年後… この大きな戦争は突然終結を迎える事となった。 戦争の為に各国はこぞって様々な兵器を開発し、使用した。 世界にもたらされたのは壊滅的な環境破壊と、甚大な数の死者だけ。 5つの勢力に分かれた各国も、その戦争で殆どが壊滅もしくは滅亡した。 世界大戦が終結すると、程なくして日本国内で起こった紛争も終わりを迎えた。 だが長い紛争の爪痕は大きく、未だ日本は5つに分断されたままで、日本を再び一つにするという悲願は叶わなかった。 やがて5つの分断された地域は、ほぼ同時期に独立宣言を発表し、自らの国名として『色』を名乗った。 九州・沖縄、中国、四国地方は「Blue(ブルー)」。 関西地方から中部地方の半分。 長野、山梨、静岡県までは「RED(レッド)」。 もう半分の中部地方と関東地方までは「Yellow(イエロー)」 東北地方は「Violet(バイオレット)」 そして北海道は「GREEN(グリーン)」と名乗り、日本国内に5つの国が新しく生まれたのである。 この物語は、それから更に数十年後の話である―――…
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