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兼次は兵を連れて
人気のない所に来ていた。
小さな小屋だけが寂しそうに
建っていた。
小屋には2人の兵が
見張るように立っている。
兵の1人が兼次に気づく。
「兼次様。如何しました?」
「男に会いに来た。様子は?」
「今は大人しくしています」
「そうか…開けてくれ」
兵は静かに扉を開いた。
小屋の中は薄暗く、
ろうそくの灯りで
周りが照らされている。
兼次は目を凝らして、眉にしわを寄せながら叫んだ。
「男が居らぬ!男が逃げたぞ!」
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