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「…ただの浪人だ…」
警戒して嘘をついたが
兼次には通用しなかった。
「浪人だと…?嘘をつくな!」
兼次は刀を巧の首筋に添える。
刀を引けば首が斬られて死ぬ。
巧の額に汗が吹き出る。
「さぁ!答えよ!さもなくば斬る!」
(どうしたらいい…。戸田の兵士とバレたらヤバい気がするし…でも、このままじゃ……)
逃げ道を考えるが、
良い案が思い付かず、
脳裏に過る死の文字。
と、その時…
「刀を下ろすのじゃっ!その者は敵ではない!」
女性の声が聞こえた。
声の先に目をやると
一際輝く美貌を持った
女性が険しい顔をしていた。
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