第四節 天国か地獄

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今の発言と先程からの剣の独特のイントネーションがよりいっそう恐怖を煽らせた ハレイは背筋が凍り付くような感じと同時に思考を巡らせる 「一つ聞きたい………お前はその剣の為に何人殺してきた?」 ハレイは自分が今置かれている状況を忘れて無我夢中で質問した 「忘れたな。だが、言えることは街一つは生け贄として捧げたな」 彼の表情が変わることはおろか、瞬き一つしない 「何故お前はそんな事ができる!残された人達の気持ちを考えたことがあるか!」 怖じけづいていたハレイから一転、何か気迫のようなものを感じさせた 同時にハレイの怒声により空気が呼応するように震える だが、そこはエドワード 「質問は一つのはずだが」とバッサリ切り捨てた そして更に紡ぐ 「休憩は終いだ。次で決める……… 死にたくなければお前の全力を見せてみろ!」 エドワードは黒く染まった大剣を再び振り上げた 「最後はこちらも手を抜かない………」 エドワードがハレイに向けてそう言うとエドワードの体からただならぬ気が溢れ始めた
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