第四節 天国か地獄

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「後でずれが無いように大まかに改善した記憶の内容を教えてくれ」 冷酷というわけではないのだが何の感情も篭められていないその表情と色のない瞳に思わずリースは返事に遅れた 「どうした、呆然として………」 「す、すいません。改善した記憶の内容についてでしたね。 まず筆記試験の場面の記憶は改善の必要なしと思い改善していません。 改善したのはその後の主の会話のこちらにとって不利益になると思ったもの。 そして、戦闘全般です。戦闘では主が僅差で負けたという風にしておきました。 それと念のためですが記憶が戻らないように暗示と深層意識にいざというとき反抗できないように恐怖を植え付けておきました。 これが私の行った改善の全てです。」 所々間を空け聞き手が聞きやすいようにスラスラと話した 「流石だリース。完璧だよ」 褒められて顔が赤くなったリースはエドワードにばれないように顔を下に向けた
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