第四節 天国か地獄

67/73
前へ
/262ページ
次へ
「さて、そろそろ行くとしよう」 そういって必要最低限の家具しかない寮の一人部屋から二人は姿を消した 二人が向かう先は唯一つ――――学園の中心地 エドワード、リース 二人の先にある障害物は全てが意味を為さない 池だろうと、高い校舎だろうとその全てを一度彼等が跳べば乗り越える 二人は迂回をするでもなく本当の最短距離を進んだ 二人が学園の中心地である場所に着いた時には既に月が真上を通り越し沈み始めていた 「リース、やることは分かっているな」 「はい。ではこちらも準備に入ります」 「距離は半径5km程だがいけるか?」 「はい、勿論、主の望みであれば何なりとやります。唯、流石にそれほどの広範囲となると二人分の魔力は枯渇してしまいますが…………」 リースは跪づいた状況で申し訳なさそうにしていた 「いや、できるならいい。リース、お前とリリースはあいつらに魔力の質が知られているから七割、七割でリリスの魔力で足りない分は補え」 それだけ言うとリースはエドワードから離れこの学園で一番高い塔の頂上に移動した
/262ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25676人が本棚に入れています
本棚に追加