第四節 天国か地獄

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「では、行きますよ。リリス、リリース」 塔の頂上に佇むリースは暗示のように呟くと背中の部位に力を入れる 顕れたのは三対の黒白の翼 リースはその翼を上手く羽ばたかせエドワードの頭上月下の下に行く 目的地に行くと真下を見下ろす リースはエドワードと視線が合ったのを確認する 「主の準備は終わりました。では…―――いきます!」 驚異 そう正に驚異だ いや、それだけでは表せない 彼女の合図と共に放たれた魔力 質だけならエドワードに僅か及ばずともその圧倒的な量 ハレイなど足元にも及ばない 黒や白、そして透明の魔力はリースの頭上で雲のように広がっていく 月を飲み込む そんな感じに魔力は月を覆う リースは頬に大量の汗をつたらせながらも全神経を頭上の魔力に集中する それは大きさこそ違えど次第に形を変えていきエドワードが作った魔力の球のように変わる 「でき……ま………し」 彼女の意識はそこで無くなり背中にあった翼も消える そして彼女は真下に落下した
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