第四節 天国か地獄

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薄暗い寮の一人部屋 エドワードは必要最低限の家具しかない部屋の中でベッドで静かに眠るリースの横でその顔を眺めていた エドワードは彼女の頬に手を添える 「俺はお前達が俺の事を好いてる事を知っている。 だが、俺はきっとそれに答える事は出来ない。 どんなに君が望もうとも、そして、俺がどんなに望もうとも…………… だが、君達が寄せてくれた思いには……………俺の……―――………あるまでに必ず答える たとえ、残された時間が限られていたとしても…………… おやすみ リース、リリス、リリース」 エドワードは彼女の頬を一撫でしたあと優しく額に唇を宛てる その時 「そんなこと言わないで下さい。エドワード様ぁ」 エドワードが聞かれていた、と思いパッと彼女の顔を見る 彼女はまだ寝ていた どうやら寝言のようだ エドワードは自嘲気味に笑うと呟く 「我ながら情けないな……………こんなことを言うとは………… ――――おやすみ」 エドワードは光の射さない部屋の奥へと歩き消えていった
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