第五節 世界から離隔されし物達

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一つは先程と変わらない場所に立っているエドワード そして、もう一つはエドワードの後ろを歩いていた深くローブを被った女性と思しき人物 その女性と思しき人物は利き腕の左手を前に突き出していた 時より見える肌は、産まれたばかりの赤子のように滑らかで艶があり透き通っている そこからも分かるようにやはりその人物は女性なのだろう 彼女―――リースは先程、火の球がエドワードに向かい始めた直後、マスターの前に立ち魔力の壁を展開したのだった 予想外の出来事に教師も生徒、黒服も含み、皆例外なく驚いていた 「そんな!嘘よ!嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘!ならもう一回っ!」 レイラは身体に残っている魔力を全て両手に集める そして、今度は確実にと詠唱を始める 「天より降り注ぐ数多の焔光 今彼の者を焼き尽くす灰燼となれ 【天」 だが、先程は油断から止められなかったハレイが彼女の詠唱を遮るべく彼女の腕を掴む そして掴んだところから念には念を入れて魔力を流し、魔法の構築式自体を狂わせる 「やめろ!これ以上は教師としても一個人としても許せるものじゃない!」
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