第五節 世界から離隔されし物達

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「俺の名前はクロスだ。気軽にクロスとでも呼び捨てで構わないから呼んでくれ。皆、一年間よろしくな」 彼は制服の中に着ていたパーカーのような物に付属していたフードを下ろし、白髪の、一遍の悪にも染まらない白を、靡かせながら生徒全員に挨拶をした 彼の余りの繊細で美しい中性的な顔を見て、貴族の男子も女子も思わず固まった 「んじゃ、悪いがもう一度自己紹介してくれ」 ハレイは視線をエドワードに向けアイコンタクトで合図を送る エドワードは、仕方ない、と呟いた後、再び先程と同じ場所に立ち自己紹介を始める 「俺の名前は、皆が周知のクライシス家の出のクライシス・エドワードだ。 それと、皆が知っていると思うが俺は既にクライシス家の者ではない。 まぁ、黒服の皆、それとクロスよろしくな」 まるでメモを読んでいるかの様に無機質で感情の篭っていない自己紹介をし、最後の所だけ黒服の皆とクロスを見ながら、感情を篭めて言い述べた 自己紹介が終わるとエドワードはクロスの方を向き右手を差し出す 「よろしく、クロス」
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