第五節 世界から離隔されし物達

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クロスは今の自己紹介に若干の戸惑いを持ちながらも、あぁ、と呟きながら自身も手を差し出す 「こちらこそ、よ…ろ……し………くエド…………うっ!」 そして、ゆっくりとエドワードとクロスの右手が互いに距離を縮めて行き、とうとう手と手が重なった 刹那、クロスの身体を電気のような魔力のような自分にとって理解出来ないような力が駆け巡る クロスは余りの気持ち悪さに下に俯き、即座に手を離した この時、誰もが気付かなかった ローブの中に見えるエドワードの両目が色を変えていた事を…………… そういえば、説明してなかったかも知れない エドワードの出生時は髪も眼も色として、現れる部位は全て漆黒の、どこか深海の闇を思わせるような色 だが、エドワードが勘当―――棄てられた、または廃棄と言うのかもしれないが、その後あるエドワードの身体的変化により、漆黒色だった部位は全て、俗にいう堕天使の翼のような“灰”色に変化した まぁ、この場合は変化と言うよりも――の過程に起きる現象だ
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