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黒服の四人は放課の半分の時間が過ぎても一向に動く気配がない
四人はそれぞれ、眠たそうに顔を俯かせている者もいれば、窓からグラウンドを見下ろしている者、何も書かれていない黒板を無言で見ている者など、それぞれ違う
放課になって約七分が経過した頃、動きを見せない黒服の四人を見て、エドワード自身もグラウンドに行こうと、座っていた椅子ごと体を後ろに引く
と、その時、黒服の四人に動きがあった
《やっと動いたか………さて、じゃあ僕たちもそろそろ行こうか》
《うむ》
……………
四人は声には出さず、魔力に声を乗せて他人と会話する、俗に言う念話で会話していた
《やはり、お前達は落ちこぼれじゃないな》
たった一つの念話で四人が全員エドワードの方に振り向く
中でも最初に念話を使った少年は一段と驚いていた
理由は勿論、最後の念話だ
あれはエドワードの出した念話だ
別に魔力があるならば念話が出来ることになんら問題はない
だが、念話にも回線のような物が存在し、相手の魔力の周波数のような物を理解しなければ念話は行使できない
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