第五節 世界から離隔されし物達

16/63
前へ
/262ページ
次へ
それが可能なのはエドワードの並外れた魔力に対しての感知能力や洞察力、そして勘が彼の中に天賦の才として存在した 彼らの驚愕の時間は、僅かであったがその僅かな時間で彼ら―――黒服四人に与えたエドワードの印象は圧倒的であった 彼ら黒服四人は無知な貴族どもは知らないだろうが各々が魔力以外(例外はあるが)の分野で強者であったが為に理解する 目前で地に脚を浸けている男が自分達と同様か、はたまたそれ以上の兵(つわもの)であることを……… 放課が終わりを告げ、チャイムが鳴るその時まで普通の人が体感する時間なら極僅かな時間であったが彼ら(エドワードを含めて)にとっての体感時間は決して僅か数分の出来事ではなく時が止まっているのでは、と思う程長く感じさせた そんな長い長い時間の中にある沈黙をエドワードが破る 「お前達の名前を教えてくれないか?」 一言、たった一言だが今の情況下では効果があったのか四人の内の一人、最も寡黙そうな男が、フッ、と吹いた
/262ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25676人が本棚に入れています
本棚に追加