第五節 世界から離隔されし物達

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その者は、幼少時のエドワードと同じ漆黒色の髪を伸ばして左目を隠し、右目には眼帯という見えているのか分からない、一風、変わった男である その男は言った 「我らの負けであろう、ノエル。こやつは間違いなく我らの本質を理解しておる。貴族の出といえども、それはノエル、貴様も同じだ。 断言しよう。こやつは、友に値する人物だと…………」 寡黙に見えたこの男は予想以上に饒舌であったことをエドワードは理解した 「ヴィンセント………はぁ仕方ないなぁ。君がそこまで言うのなら……………僕の名前はノエル・フレーベ。よろしく、エドワード君」 フレーベと言えば、知る人ぞ知る名家の家柄だ 最も、最近と言っては少し違うが、今から十年程前に汚職で特権階級の貴族から追い出された初めての家として、有名だ 今ではこういう者を没落貴族という 「次は我かな。我が名はヴィンセント・С・スティルハート。名前からも分かるようにこの国の者ではない。」 長ったらしい名前を述べるヴィンセント その名前も異国ならではのもの また、名前とは裏腹にヴィンセントは貴族ではないようだ
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