第五節 世界から離隔されし物達

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「次、私?」 ヴィンセントの自己紹介が終わってちょっとすると、一人の少女がノエルに話し掛ける 言葉通り本当の“少女”だ 身長130㎝くらいで、大事そうに熊の人形を抱えている エメラルドのような髪色が彼女の雰囲気をより良くしている ただ一つ気になることと言えば、熊の人形がやけに傷んでいることぐらいだ 「うん、お願い。」 ノエルは柔らかい笑みを彼女に向ける 可憐な少女は一度頷くと、こちらを見る 「……私、名前、ない………けど、ベアー、くれた、名前、ある………それで、いい?」 彼女は一語ずつ区切りながら喋る ベアーの所で熊の人形を見たことから、恐らくベアーとは熊の人形のことなのだろう そして、最後に少女は首を傾げてエドワードに尋ねる 「あぁ構わないとも」 エドワードは一言そう答えた 「………わかった、私、名前、スノウ、意味、雪、よろしく、エド」 少女―――スノウは儚げな顔でエドワードに微笑んだ エドワードもそれに返すように、よろしく、と返事をしておいた
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