第五節 世界から離隔されし物達

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「次は、私かな?」 名前を言っていない黒服最後の一人 その女生徒は椅子を傾けてエドワードに視線を合わせる こちらの女生徒も幼少時のエドワード、ヴィンセント同様の髪色、漆黒色の髪である そして、その髪を後ろで一つに束ねポニーテールにしている その姿は正に“凜”という言葉をそのまま現したような美しいものだった 「私はな、他の者のようにおいそれとソナタを認める気はない。名を明かすのは互いに剣を交えてからでも遅くはなかろう」 確かに本当に他人の実力を見るなら一度、剣を交えて互いに力量を認めてからでも遅くない、そう思ったエドワードだからこそ、一度頷くだけだった 「じゃあ一応名前を教え合った事だし、僕たちもそろそろグラウンドに行こうか。スノウちゃん」 一段落着いたところで、ノエルが話を切り出す そして、何の合図なのかスノウを呼ぶノエル 「……今日、エド、一緒」 一言ノエルにそういってエドワードの足元まで小さい歩幅ながらしっかりと歩くスノウ 「わかったよ。 じゃあ行こうか、ヴィンセント達」 彼の合図でヴィンセントももう一人も立ち上がる
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