第五節 世界から離隔されし物達

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じゃあ、と再びノエルが言いながら教卓から向かって右側の窓を一つ開ける そこで、初めて彼らのやろうとしていることがエドワードに理解出来た 向かって右側にあるのはグラウンド なら、わざわざ遠回りしてでなくても直接向かえばいいのだ それを理解すると、スノウがして欲しいことも何と無くわかった エドワードはスノウの腰に手を回し、少女を持ち上げる 「じゃあリリス、俺達も行こうか」 エドワードはリリスに一言掛けた後、既にあの凜とした彼女が出た窓に向かう 「君が最後だよ」 ヴィンセントも高さ十五メートル程の高さから下に飛び降り、残るはノエル、エドワード、それに抱えられるスノウ、そしてリリスのみになった エドワードが飛び降りるべく窓に手を掛ける 「そういえば後ろの君は誰なの?」 沈黙し続けるリリスにここに来て初めて当たり前の質問をした 「こいつは俺の使い魔のリリスだ」 何故か額に青筋を浮かべているリリスを見てエドワードが代わりに答える ノエル、ふぅ~ん、と言った後、続けて、お先っ、といって窓から跳んでいった
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