第五節 世界から離隔されし物達

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彼女は顎に手をつき、何かを考えているようだったが、自分に視線が集まっていることに気付くと 「いや、何でもない」 とだけ言って俯いた 「じゃあそろそろチャイム鳴るから行こうか」 ノエルのその言葉を合図に、ある者は俯き、ある者はある者に抱えられ、ある者は暑い中もローブを着て素顔を隠している、と様々な行動をしている者が皆一同に貴族達が集まるグラウンドの中心に向かった エドワード達が、グラウンドの中心に行くと既に教師のハレイともう一人、補助の先生を含めて自分達以外全員揃っていた 少しして、チャイムが鳴るとハレイが授業を始めた 「あぁ、体育の時間の前半は全員、魔装甲をやってもらう。めんどくせぇが、中等部で習ってる筈だからとっとと全員やりやがれ」 ハレイの言葉が合図となってか直ぐさま貴族達は各々のイメージしやすい構えをとって自身の身体に魔力の膜を作り始めた その後、ノエルが、僕たちもやろっか、と言った事で、黒服組も魔装甲を纏い始めた 「クロス、お前はやらないのか?」 エドワードの隣で黙って皆を見ていたクロスに話し掛ける
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