第五節 世界から離隔されし物達

27/63
前へ
/262ページ
次へ
10分程経過すると、試合の大半は終了し黒服組の試合も全て終わっていた エドワードが教室に入った時、貴族組に彼らは落ちこぼれと思われているものだ、と思っていたがどうやらそれは違うようだった 黒服組の対戦相手の貴族は何か恐れているのか、ハレイに事前に棄権を申し込んだようだった 故に、貴族達が彼らを見る目線は、蔑みや侮蔑というより畏怖といった感じを受けた 「次の奴さっさと来い!クライシスとマティーニ」 いつの間にか順番が回って来ていたのか、ハレイが遠くまで聞こえるように珍しく叫ぶ 「どうやら俺の番のようだな。お先に失礼」 先程から続くことのない会話をしていた相手―――クロスに一言そう述べると、立ち上がりハレイの元に向かう 「さて、俺も観戦しにいくとしよう」 クロスの呟きを知る者はいない 「おせぇぇぞ!さっさと始めっから両者、魔装甲を身に纏って距離を置け」 いつの間にかギャラリーが集まっていて、その視線がエドワードに突き刺さる 恐らく、転校生の実力の把握と落ちこぼれ節の真を確かめに来たのだろう
/262ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25676人が本棚に入れています
本棚に追加