第五節 世界から離隔されし物達

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互いに距離を取って15メートル程離れる フォレストの手にあるのは模擬戦専用の西洋剣の形をした鉄剣 刃が害が無いように削り落とされているとは言え、それが人を殺すことを主として作られた武器なのだから使う人によってはそれでも殺せるだろう 対するエドワードは武器を持っていない 使うまでもないし、素手の方がやりやすいからだろう まぁ、ハレイが念の為と、武器は、と聞いてきたのは言うまでもないがそれには一言、使わん、とバッサリ切り捨てた 相手が時間を掛けて魔膜を張るのを見て、それが終わった後にエドワードは自身に魔装甲を身に纏う フォレストも一応このクラスに居るだけあって、構えは雑だが一応型になっていた フォレストはエドワードを中心として、足を地面に擦りながら回って行き、ハレイが出す合図を今か今かと待っている それに対してエドワードは、背後に回られても振り向くこともなく、黙って瞼を閉じていた そして、試合開始の合図の時が来た 「始めぇぇ!」 補助の先生が叫ぶと同時に試合が開始された
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