第五節 世界から離隔されし物達

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エドワードの後ろを取ったフォレストは考えも何も無しに、ただ一直線にエドワードに向かって走る 「終わりだぁぁぁぁぁああ落ちこぼれぁぇぇええ!」 そして、そのスピードを利用してエドワードの肩目掛けて叫びながら自身の持つ剣を振り下ろす 全く動かず、回避行動をとろうとしないエドワードを見て、血生臭いことに慣れていない生徒たちは目をつむる 「……その程度か……」 エドワードのその声を聞いて目を閉じていたものたちが一斉に目を見開く その瞳に写るのは無傷のエドワード 渾身の力で振り下ろされた剣はエドワードの肉を切ることも、潰すことも出来ず、エドワードの肩で止まっていた 「……そ、そんな馬鹿な……」 フォレストの呟きも虚しく、エドワードの右手に剣を掴まれた 「く、クソ、外れない!」 フォレストがその剣を押しても引いても動くことはなかった 「チャンスは与えてやったぞ貴族様」 エドワードがフォレストにだけ聞こえるように呟き、直後剣をクッキーを真っ二つにするように折る 「これで終わりだ」 エドワードが体の向きを呆然としているフォレストに向ける
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