第二節 神の不可侵領域

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まず第一にそのナイフがいつか見たような果物ナイフだということ 第二にそのナイフの柄の部分が昔と違い漆黒……即ち闇を顕すような色をしておりそして注意深く柄の部分をみると赤い―――血でイルテミスに存在しない文字で何かが書かれているということ 最後はそのナイフ自体が空気………いや空間を歪める程の異質なオーラを纏っているということ エドワードはナイフを左手で持ち、そのまま刀身に顔の左側が映るように上げた そして、暫くの間はナイフの角度を変えてみたりして刀身に映る我が面の姿を眺めていた その後、左手は顔の前に突き上げたままにし、今度は右手を顔の前に持ってきた ジャララジャラ 顔の前に持ってきた右手には手首に漆黒のバングル(腕輪)がついており、ナイフの柄にも書いてあったような赤い血文字が何行にもしてずらりと書かれている そしてバングル(腕輪)からは計十本の白い―――天使の翼を顕すような純白の鎖が各々二本ずつ手の甲と手の平の上と下を通り、各指に嵌められている腕輪やナイフと似た種類の指輪に繋がっていた どうやら先程鳴った音は鎖の擦れる音らしい .
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