第五節 世界から離隔されし物達

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エドワードはゆっくりと自身の右手をフォレストの顔のデコの部分に持ってくる 「死ぬなよ」 一言そうフォレストに述べてエドワードは彼のおでこにデコピンを放つ 瞬時、爆弾が爆発するような音が、フォレストの額から轟き 一秒、いや二秒経過して彼の額の皮膚が波打ち始め 次の瞬間―――吹き飛んだ そのスピードは刹那、彼の姿が消えたと錯覚するほど速く 再び一、二秒するとグラウンドの果て八百メートル地点のフェンスに彼の姿があった その姿は余りにも見るに堪えない無惨な姿 両手両足は有り得ない方向に捩曲がり、服は殆ど空気や地面との摩擦熱で焼き切れその存在意味を無くし、揚句それは皮膚にまで及び、ところどころ火傷のような形になっていた 「誰かっ!保健魔導師のネリエル先生を呼んで来てくれ! 速くっ!」 余りの出来事に呆然としていたハレイだが、いち早く正気になると同じく呆然としている生徒に叫んで正気に戻させ保健魔導師を呼びにいかせる (死なせてなるものか!) ハレイはその一心で生徒の元に向かって走る
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