第五節 世界から離隔されし物達

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少し時間が経つと、目のボケも治り眼前にいる人物の顔がようやく見えてくる 「ちっ、何だ。ハレイの野郎か」 顔がはっきりと見えるようになり、相手を確認した直後の言葉はけなしだった 「舌打ちすんなよな。めんどくせぇのに看ていた奴に……………それより、あの時何があったんだ?」 どうやらハレイが、彼女が倒れてからの8時間、傍で様子を看ていたようだ あの時、と言われまだ脳が完全に目覚めていないためか一瞬迷うそぶりを見せたが直ぐに、それが何のことか理解し、あの時かぁ、と独り言の様に呟く 「あの時は、もしかしたらお前が記憶を弄られてるんじゃないかと思ってな、試しに」 「ちょっと待て!お前、今、記憶を弄るっていったか?お前自身が、一度弄られてるから耐性が出来たって言っていたんじゃないか!」 あるキーワードを聞いた所で、即座にハレイがネリエルの話を遮り自身が今持つ疑問を怒鳴りぶつける 対するネリエルは 「うっせぇなぁ、耳元で叫ぶんじゃねぇよ。今からちゃんと説明するっての」 女性でありながら怒鳴られた方の耳に指を入れ、話を受け流していた
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