第五節 世界から離隔されし物達

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結局、最も基本的な部分しか理解していないハレイにネリエルは一瞬失笑し、直ぐに頷く 「でも、お前このタイプの魔法は一度やられれば耐性が出来るって言ってなかったか?」 「あぁ、言ってたぞ。だがな、それはソレをやった奴が前回の奴と同等か、少し上ぐらいのレベルの奴の場合だ。 悪いが、今回の奴はレベルどころか次元が規格外に違う。 耐性をも無視してその上から無理矢理ソレを行使した。」 真剣味を帯びたその顔に一瞬、返答に戸惑う 「………じゃあ、どうする事も出来ないのか?」 ネリエルが頭を抱えて大きな溜め息をつく 「だから、相手は化け物で次元が違う奴だぞ。どうしようもねぇじゃねぇか。 それに覗いた感じ、害を及ぼす物じゃねぇから関わらないのが得策だと思うぞ」 先程から似たり寄ったりの説明をさせられていたネリエルはいい加減疲れたのか「もう、知るか!」と言って体をハレイと逆向きに変えた 「そうか…………」 ハレイは彼女が寝た後も、傍にある椅子に刻々と時を刻みながらも早朝になるまで座り続けた
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