第五節 世界から離隔されし物達

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生徒達が目覚め、学園に登校する5時間前 時間で言えば早朝の3時程 日が既に昇りかけ、うっすらと太陽の光が横から射す 場所は学園西側3km程離れた場所にある生徒、一般の教師すらも立ち入ることが禁じられる深緑の森 その森の中でも、木々が生い茂っている場所ではなく高さ80㎝程の草が空に向かって伸びる異質な草原 そこに、二つの人影があった 一人は一般の制服を来て顔をフードで隠す青年―――エドワード もう一人は黒髪のポニーテールに黒服に身を包む名を名乗らぬ少女 彼女の片手には黒光りを帯びた刀の鞘と、もう一方の手には真紅の刃をその身に纏う刀が握られていた 「約束の時より、一刻程遅いぞ」 「それは悪いことをした。リリスと交合したあとあいつがくっついて離れなかったのでな」 ソレをそれを聞いた彼女は自身の頬を少しだけ赤く染め、そうか、と呟く 「まぁ、私には関係の無い事…………それよりも、早速刃を交えるとしよう。お前も、腰の得物を構えろ」 彼女は右手に刀を、左手に鞘を持ち体勢を低くして、独特の構えを取る ソレを見たエドワードは微動だにしない
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