第二節 神の不可侵領域

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エドワードは頭の隅に置いておいた後悔の念と共に愛おしそうに繊細な彼女の頬をゆっくりと撫でていく この女性―――リリスはよく見ると耳が長く、先が尖っておりこのイルテミスで最も聡明で博識だと謳われるエルフの一族だと一目見ただけでもわかるであろう だが彼女――リリスが普通のエルフならば彼――エドワードは決して行動を共にすることはなかったのだろう リリスはこの世界には存在してはいけない……… 何故ならば彼女が純血ではないから それは彼女がどの種族よりも、また今は無くなったが奴隷として働かされていた獣人よりも忌み嫌われた存在゙ハーフ(混ざり者)"だということを顕していた しかしリリスはハーフであったが為にエドワードと共にいることを許された唯一の存在 エドワードがリリスと出会った日からの事を思い出しているとリリスは堅い冷たいベットの上でエドワードに背を見せるような形で寝返りした そして、エドワードは彼女の背中にある二つの゙翼"を先程の頬を同様に愛おしそうに撫でていく その時の哀しそうでどこか満足げなエドワードの表情は決して誰にも見せることのない誠の表情 .
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