第三節 情堵不安定な人の心

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七色の魔術師が総司令室に呼び出された頃バース平原では20数名のSランク隊員が魔物――ウルフ系全般およそ1000匹と悪戦苦闘しつつもすこしずつ数を減らしていた しかし、次の瞬間隊員達の顔が恐怖一色に染まる それは、まさしく狼男の出現によるもの 狼男や吸血鬼(ヴァンパイア)のような魔で在りながら人の形をしているものは魔を統べる魔族と呼ばれそして魔族の中でも力を持つ魔は魔人と呼称される そして今、現れたのは魔族と思われるが数がおよそ10 魔族は基本、一匹(一人)の討伐でランクSSの依頼とされる そして今ここにいるのはSランク隊員十人 ギルドランクと魔の討伐時に決めるランクの決め方は同じでSランクより上からは一つランクが違うだけで実力が桁外れに掛け離れている 隊員達の顔が恐怖一色に染まったのはそのためだろう そして隊員達は戦意を喪失し生を諦めた 彼等は足が震え既に立つ事もままならず完璧に狩る者が狩られるものになった瞬間だった そして一人の狼男が隊員の首を根本から削ぎ落とそうとする 隊員は抗うことも出来ずに首を落とされたが次の瞬間、隊員の後ろに巨大な黒い壁が出現した
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