第三節 情堵不安定な人の心

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エドワードはリリスがある程度離れたのを確認した そして次の瞬間、エドワードの心の中でパリンッという音と同時に表の顔が砕け散った 「アハハハアハハハアハアハハハハハアーハハハッアハハハッアハハハアーハハ」 エドワードが一瞬小声で笑ったと魔族や人間達が思った矢先、彼は突如狂ったように大声で笑った その声と比例するように突如顕れた殺気 殺気はエドワードが笑い続けるかぎり高まり続ける 最初………ほんの一瞬、狼男達が嘲け笑うかのように笑った しかし、殺気がある一定に達した時、狼男達はこの男―――エドワードの力量に気付き笑うのを止め戦闘体勢に入る だが、未だに上がり続ける底が見えない殺気 狼男達、いやこのバース平原に生ける全ての生き物が余りの殺気に呼吸が出来なくなる そして、バース平原に風が吹きエドワードの素顔があらわになった 口は限界まで吊り上がりそれこそ口が裂けたような口になり、目は焦点が合っておらず目の前にいる生ける全ての生き物を欲するような目 悪魔のようと表現するのは間違っているかもしれない エドワードの纏っている゙それ"は既に人の領域を越え、生き物の領域をも越えるほどのもの
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