第三節 情堵不安定な人の心

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そして、彼は卑しくも言う 「君達の大事な物はな・に・か・な」 そしてバース平原にいる者達全てに言うと同時に彼の右手の指がどんどん細く長くなっていき(長くなると言ってもモデルの指と同じ感じ)爪は伸びていき、指の所々に細い血管が浮き上がっていた 彼はアハッと笑うと殺気を全てひっこめた それと同時に魔族が魔物が動物が狂ったように一斉に向かい始めた 狼男は一瞬で近づき己の太い指に尖った爪を男に振り下ろすが空気を切ることになった エドワードは既に先程の立ち位置にいない 狼男は狂ったように暴れながら男を探す そして 再び聞こえるあの声 場所は狼男の背後から そして同時に後ろから狂ったような声に交ざってドクンッドクンッという音が聞こえた だが、そんなもの狼男には関係ない 焦点が合っていないその目を背後に向けるとそこに立って狂ったように笑っている男 そして、右手にば心臓"のようなものが一つ 狼男は本能からか自分の胸元を見る 胸元は赤く濡れていた その時、彼が右手に持つそれを握り潰した まるで、悪鬼が如し形相をしながら
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