第三節 情堵不安定な人の心

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エドワードが狼男の心臓を握り潰した瞬間それは起こった まるで何かの合図を待っていたように 狼男の体は細切れにまるで豆腐が如く原型を忘れてしまうほど薄く切れていった そして、狼男が立っていた場所にあるのは原型が判らないほど細かく崩れた血の池と魔肉、血管、生物におよそ必要な器官が全てそこにぶちまけられていた そして、異様な程の血生臭い異臭がたった一瞬でバース平原に広がっていく その後も殺戮は続いていく 男が向かってくる生物の心臓を右腕で奪い取り握り潰す度に崩れていく生物の体 ただバース平原には血の鉄臭い臭いと赤い池 そして、崩れていった生物達の体 それが刻一刻と増えるばかりであった
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