第三節 情堵不安定な人の心

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10分も経過するとバース平原は以前の面影も感じられないほど草木が生い茂っていた緑と黄緑などの色から一転、方舟から半径500mは真っ赤な紅い血の世界へと移り変わっていき、自然のどこか鼻を擽るような臭いは、鼻を刺激する刺激臭へと変貌していった もう既にエドワードは5000近くの魔物、魔族、動物を殺したのだろう それは景色だけではなく、エドワードの姿が物語っている 顔は血によって隙間が出来ないほど紅くなり大量の血を浴びたせいか今でも髪の毛から一滴一滴ずつポツンポツンと垂れていた だが、こんな狂った世界になっても未だエドワードは狂気に塗れながら妖しく笑っていた そして、今唯一バース平原で生き残っているギルド所属のSランクへとエドワードの視線が移る 彼はゆっくりと一人の男の元に足を進めていく そして、エドワードと男の距離が一定の距離になったとき男は方舟が出現してから始めて口を開いた 「あんたギルドから俺達を助けるために送られたんだろ。顔は幼いが強いんだな!おまえなま」 そこで、男の言葉は止まり、口からは悲鳴が容赦なく出てきた
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