第四節 天国か地獄

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一方エドワードとリリスは終末の谷という断崖絶壁の谷に来ていた 終末の谷というと獰猛な魔物が生息していることで有名な土地である そして二人は今、断崖絶壁の谷から底を知らない地面を見下ろしていた 「さて、行くか…………リリスちゃんと着いてこいよ」 エドワードは一気に踏み込むと崖下に向かって跳んだ リリスもエドワード同様に跳んだ 二人は所々にある出っ張りやはたまた、怪鳥系の魔物の背を足の踏み場にしながら上手く降りていく そして、二人は中間点辺りにある人為的に作られた暗い洞窟に入っていった 何故、人為的とわかったかというと洞窟のなかには出っ張りがなく綺麗に削られており一定の間隔で松明があるからだ 暫く足を進めると二人の前には木で出来た扉と鎖で繋がれた少女が扉の隣で佇みながらこちらを睨んでいた エドワードは何も言わずに少女に近づいていくと肩を抱き寄せキスした 少女は抵抗する事なくエドワードに身を任せる 十秒程口づけしたあと少女の体を離した 「エドワード様、一体何を…………」 リリスの声にははっきりと怒気が込められていた
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