第四節 天国か地獄

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「君は教員の心得を読んでないのかい?あれに、編入試験は教師二名以上立ち会いのもとで可と書いてあるんだよ」 教員の心得とはこの学園の教師が教師になったときに渡される冊子の事である 「あんな千ページ以上あるやつなんて俺が読める訳無いだろう………じゃあめんどくせーがそういうことだ」 ハレイは視線をエドワードに向けた 「じゃあ先ずは筆記から始めるか。今の時間空いてる教室は確か…………正反対だったな。まぁいい、おいエドワードとか言ったな、そこに座れ」 その言動にマルコは口元を隠しながら小さく笑っている 理由は彼の座れと言った場所が問題である そこは、山のように散らかった書類から、飲みかけの珈琲など明らかに先程まで誰かがいた場所である そう、そこは学園長の机である エドワードが溜め息をつきながらも高級な椅子に座ると「テスト取ってくるから少し待ってろ」と言ってハレイは出ていった 二、三分後四枚ほどの紙を持って怠そうに戻ってきた
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