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父親が一歩一歩と近づくにつれて窓の格子から入る月明かりに照らされてその姿が鮮明に映し出されていく
よく見ると父親が手に持っていたナイフは人を殺すような狩猟用のタガーナイフ等ではなく小振りの果物ナイフだった
(本当に俺を殺すつもりなのか………)
この時エドワードには既に果物ナイフは果物を切るものとではなく己の身を削り己の生涯を終わらせるものとしか認識されていなかった
(散々俺を痛め付けておいて…………いらなくなったらポイということか………ふざけるなよ………)
やがて父親はエドワードの目前に立ち鎖で繋がれた息子………いや、既に人外のものとしか認識されていないかもしれないが余りにも滑稽なその姿を見下していた
そして、今まで幾度となくエドワードを傷つけてきたその口を開いた
「お前はもう用済みだ………これ以上お前にいられると愛しき息子娘達に悪――――――――――――――――――」
(ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!ふざ…ウッ)
エドワードが最後に見たものは自分を見下ろす父親の姿だった
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