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暖房の効いた部屋、緑の影をおとすメロンソーダ、キャミソールを着た彼女。
「傍に、行ってもいいかな」
氷だけ入ったグラフをからんと鳴らして彼女はこちらを見た。白いソファーに沈んでいる彼女は、背景と同化して見える。その真っ黒な瞳は、僕を捕らえてはいなかった。
「寒いの?いいよ、おいで」
僕は、寒いというわけでは決してなかった。窓の向こうは雪が降っている。一面の銀世界。反してこの部屋は異常に暖かかった。暑いという表現のほうが適切かもしれない。
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