回想

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      そして賽銭箱の上にあるもの…     あの大きな鈴めがけてボールは一直線に飛んだ             直後、茶色く錆び付いたそれは上の金具の部分が折れたのだろうか     ゆっくりと落ちてきた…       そして賽銭箱に当たると同時にけたたましい音が響き、耳が"キーン"っとなった       その音で俺のスロー再生も終了した     そこには無残に崩れ落ちた鈴とそれによってボロボロにされた賽銭箱があった       神社には先ほどまでとは全然違う光景が広がっており、笑い声は聞こえず、静まり返っていた       だが、俺の耳だけはまだその出来事が夢ではないということを理解している
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