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あの人に会ったのは、小学5年生の9月だったと思う。あまり、記憶は無いけど…天気の良い暑い日だったはず。 あの頃の私は、虐めに遭っていて自殺志願者。 笑っても、泣いても文句言われるから。笑わなくなったら、笑い方を忘れた。泣き方も忘れた。 本気で自分が怖かった。一生、泣けなかったらどうしようと。 貴方に、あの言葉を貰うまで…。 「惠さん。今回の縦割り掃除の区域は、6年1組ね。」 「はい。」 私が通っていた小学校には、縦割り掃除と横割り掃除というものがあった。縦割り掃除は、1年生から6年生までが適当に割り振りされるもの。横割り掃除は、クラスで行うものだった。 その、縦割り掃除が隣になったのだ。 「あれ?惠じゃん!」 「あ゛。」 掃除をしていたら、同じクラブの男の先輩。西島茂行が声を掛けて来た。 クラブ…と言っても、部活動では無いのだ。この学校では、授業の一貫だったのだが。 ―未だに何故クラブと言っていたのかは謎だ。
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