凡才との違い

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ある一人の少年が東京にいた。 彼は容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群といった全てが揃った超人だった。 それは小学生の時から既に表れていた。彼は 「小学校のレベルなど低くてやっていけない」 そう思っていた。 中学に入った。やはり彼にとっては生ぬるい。自主的に勉強をする必要がない。一度授業を聞けば完全に理解するからだ。 テストはいつも全て満点。卒業するまでテストで満点を取れなかったことは一度だけ。一問だけまちがえた。それだけだ。 「高校は何処にしよう…」 彼が出した答えは国立高校。といっても学力を考えた結果ではない。 私服がOKだから そんな理由だ。 周りの人間も天才揃いだが、彼から見れば他と変わらぬ凡才だった。 天才集団ですら勉強を怠らなかった。彼を除いて。 彼は遊び回った。しかし学校へは必ず行った。勉強はせず、授業を聞くだけ。そして瞬時に飲み込む。テストは満点である。 課題は全て未提出。しかし教員達は、 「学力は完璧だから…」 といった様子で、注意はしない。 成績はオール10。 地元の人は彼を神童と呼んだ。 卒業後にすることは決まってない。
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