27人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
ある一人の少年が東京にいた。
彼は容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群といった全てが揃った超人だった。
それは小学生の時から既に表れていた。彼は
「小学校のレベルなど低くてやっていけない」
そう思っていた。
中学に入った。やはり彼にとっては生ぬるい。自主的に勉強をする必要がない。一度授業を聞けば完全に理解するからだ。
テストはいつも全て満点。卒業するまでテストで満点を取れなかったことは一度だけ。一問だけまちがえた。それだけだ。
「高校は何処にしよう…」
彼が出した答えは国立高校。といっても学力を考えた結果ではない。
私服がOKだから
そんな理由だ。
周りの人間も天才揃いだが、彼から見れば他と変わらぬ凡才だった。
天才集団ですら勉強を怠らなかった。彼を除いて。
彼は遊び回った。しかし学校へは必ず行った。勉強はせず、授業を聞くだけ。そして瞬時に飲み込む。テストは満点である。
課題は全て未提出。しかし教員達は、
「学力は完璧だから…」
といった様子で、注意はしない。
成績はオール10。
地元の人は彼を神童と呼んだ。
卒業後にすることは決まってない。
最初のコメントを投稿しよう!