第二十三章 最終決戦(後)

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窓から飛び降りた二人を確認し、結界の壁を少しずつ後ろへとずらしていく。   そして帝国兵らが押しのけようと踏ん張っているところを狙い、一瞬で結界を解除して窓から跳んだ。   二階に位置していたのが幸いし、着地時には困ることもなく無事外へと抜けられた。   そこは中心に噴水、周辺に彩る花々を咲かせた庭園だった。都合良く人気はなく、勿論蓮達もここには既にいない。   「窓からはさすがに来ないか……」   先程自分がいた場所を見上げたが、あれだけ大勢いた帝国兵らの姿はない。   しかし安心などはできない。奴らはこの城の構造を熟知している一方、俺はここには滅多に来ないため、どこに何があるのかもわかっていない。   とりあえず人目につかない所に身を潜め、通信機を使うことにした。   「蓮、今どこにいる?」   『……闘刃か?現在私は城の最上階へと向かっている。宗吉とは別行動中だ』   「そこに源蔵が?」   『わからん。私の勘だ。ただ……師の性格を考えると隠れるとは思えない』   「了解した。吉宗は?」   『それが……』   通信の途中だが、俺は余儀なく中断させられた。自分に『影』が覆われたのにいち早く気付けなかったら、その場を跳んで離れ、こうやって投擲された短剣から逃れることはできなかっただろう。   「二度は通じないみたいだね」   上下を黒いスーツで着込んだ細身の男。言わずもがな、影を操る時点で誰かは見当がついていた。   「颯か」   「……これは最後の命令なんだ。だから、本気でいくよ」  
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