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頂上から見える景色というのは須らく壮大で、目を奪われるものがある。
だが俺の目指した頂上というのは悲惨で、思わず目を背けたくなるようなものだけであった。
おびただしい量の朱い血を地に流す俺の親友は、この離れた場所からでももはや手遅れだと、暗に感じてしまっていた。
「いましがた決着はついた」
源蔵の落ち着いた野太い声も今の俺には聞こえない。
蓮の近くまで寄り、すぐ隣に片膝をついた。
触れたくない。触れれば全部わかってしまう。
しかし一縷の望みを賭けて、俺は彼女の命の真偽を覗いた。
「……ハハッ……ハ……ハ……」
笑うしかなかった。なにが『望み』だ。あの源蔵が相手を仕留めるのにそんな誤差を出すか?
あるわけがない。
蓮は死んだ。
蓮は……死んだ……
蓮は…………
「お前はどうする?わしを殺すか?お前なら本気を出せば簡単だろうがな」
「……訳がわからない。俺にはあんたの事が全然わからない」
怒りに身を任せるな。源蔵を殺したところで何が変わる?
答えは何も変わらない。ただ俺の感情が自己満足するだけ。ここは抑えろ……抑えろ……抑えろ……
「……駄目だ。もう自己満足でもいい。あんたを殺す」
隠力を全快にし、空気中に水素のエネルギーを集約させる。特大の水素弾。一発で町一つは壊滅できる破壊力はある。この至近距離なら逃げられもしない。
「それでいい。さぁ殺れ」
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