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源蔵が無抵抗なのは疑問に思ったが、何にしろその思考もすぐになくなる。
……なんだか俺らしくない。仲間の敵討ちなんて、それで蓮が生き返るわけもないだろう。
だけど、蓮の無念は晴らしてやりたい。
意志を固め、自分の倍はあろうかという大きさの集約したエネルギー体を源蔵へと狙いすまし、隠力の力で飛ばした。
目でギリギリ追えるくらいの速さを持ったそれは、文字通りの大爆発を引き起こす……はずだった。
「……!?」
しかし予想していた現象は生じず、放ったエネルギー体は霧散して跡形もなくなったのだ。
「吉……宗?」
失ったエネルギー体の中心にいたのはもう一人の親友だった。確かにこんな芸当は吉宗しかできないだろうが……
「何のつもりだ。どうしてそいつを庇う?」
吉宗に源蔵を守る義理はない。まさか今更になって殺すのは止めろと考えているのか?
「闘刃、冷静になれ」
「何も知らないのか。そいつは蓮を殺した。死の報いをしなければ俺の気が済まない」
「蓮が死んだのは俺も知っている。でも、今だけは俺を信じて攻撃を止めてくれ。頼む」
「…………」
こいつは本当にあの吉宗なのか?
ならなぜ蓮を殺されて平気でいられる?
お前を信用していいのか?
頭の中で様々なものが思い浮かび、うごめく。
その結果導き出した答えは……
「……しょうがない」
腕を下げ、隠力を解除する。結局俺は吉宗の言葉で頭の沸騰が冷めていった。
「ありがとな」
苦しげな表情で出したそのお礼は、どうしてか少し痛かった。
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