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出窓から射す優しい陽の光、
その光に照らされ白くキラキラしているレースのカーテン、
西洋映画の中の上品な家でしか見たことのないどっしりと構える暖炉
壁に掛かっている、きっとうん十…いや、うん百万円は価値のありそうな西洋の風景画
優しい風の様に流れるクラシックの音楽、
どれも、姫花が生活してきた環境とは違いすぎる世界だった。
「なぜ、この俺の家でお前みたいな奴隷雌犬と生活しなきゃいけないんだ。
俺はお前みたいな汚らわしい雌犬と生活する事を認めたわけじゃないんだからな、覚えておけ」
洗練された花柄のソファに腰掛けた要は、その綺麗なピンク色の唇から、毒の強い言葉を吐いていく。
姫花はさっきから浴びせられる要の暴言にシドロモドロしていると、
「てめえの親父が勝手に決めたんだから、この雌犬に当たっても仕方ないだろ。俺らにはどうしようもねぇだろ。
そういえば、俺まだ名乗ってないよな。俺の名前は、東城薫(トウジョウカオル)。
さっきは、見苦しい所見せて悪かったな。これからヨロシクな!」
さっきの血の気はどこに行ったのかと思うぐらい、落ち着いた薫の態度に姫花は拍子抜けしてしまう。
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